綾辻行人『びっくり館の殺人』(講談社ミステリーランド)

びっくり館の殺人 (ミステリーランド)

びっくり館の殺人 (ミステリーランド)

 館シリーズ第八作なのだが、正直微妙な作品だった。「びっくり館」の住人の怪しさに大部分が費やされているが、その割にはあまり効果が上がってないような気がする。もっと「異常心理」のようなどろどろした感じを出せたらもうちょっと全体が面白くなったと思う。
 肝心の殺人事件やトリックに関しても、真相が明かされてもあまり驚けなかった。登場人物の性格などにリアリティ(というのか?)があまりないので、仕掛け倒れになっている感じがしてしまう。
 館の仕掛けがまあまあの面白いのが救いか。はっきりいって出来は良くないと思う。★★★☆☆