カーター・ディクスン『青ひげの花嫁』(ハヤカワミステリ文庫)

 本格ミステリというよりは、シリアルキラーをテーマにしたサスペンス(おなじみのベタなロマンスつき)といった感じの作品。しかしさすがにカーらしく、あちこちににミスディレクションやトリックを仕掛けているので、一筋縄ではいかないのが面白いところ。サスペンスの盛り上げ方、そして解決の意外性はとてもよくできていると思った。ただ、訓練場に行く場面がやや唐突で、ちょっと無意味に思えたのが少し残念。★★★★☆