法月綸太郎『雪密室』

 なんか短編みたいだ

雪密室 (講談社文庫)

雪密室 (講談社文庫)

あらすじ

 誇り高い美女からの招待で信州の山荘に出かけた法月警視。だが、招待客が一堂に会したその夜、美女が殺される。建物の周囲は雪一色、そして彼女がいたはずの離れまで、犯人らしい人物の足跡もついていない。
 この奇怪な密室殺人の謎に法月警視の息子綸太郎が挑む。

感想

 名探偵・法月綸太郎が初めて登場する作品。
 雪密室のトリックや犯人指摘のロジックは非常によくできているが、難もある。色々なトリックを組み合わせてテクニカルなものにしているが、その中にどうも無理そうなもの、というかリスクが高すぎるものがあってそこだけ浮いてしまっているのが気になった。
 あとどうでもいいことだが、法月警視と政治家の男のやりとりを除くとほとんど中身がないような気がする。そのためか、なんとなく短編のような印象を受けた。
 文句はつけたがトリックは悪くないし、犯人指摘のロジックもいいとは思う。思うんだけど★★★☆☆